「最近猫がしきりに体をかきむしっている」
「抜け毛の季節でもないのに毛がよく抜ける」
「猫の皮膚に寄生している虫がいる」
もしあなたの飼っている猫がこのような症状があるなら、ノミやダニに寄生されている可能性があります。
猫についているノミやダニは猫を弱らせるだけでなく、人間にも寄生したり深刻な感染症をもたらしたりする危険性があります。
「でも目に見えないノミやダニをどうやったら見つけたらいいの?」「病院に行かなくても自宅で対処できないのかな」
と思っている方に向けて、素人でもできる猫につくダニやノミの見つけ方や、対処法について詳しく解説します。
わかりやすいように画像付で解説しますので、この記事を読み終えたらすぐ愛猫のダニ対策を始めてください。
目次
猫につくダニの種類と見つけ方
日本には猫につくダニの種類がたくさん生息していますが、その中でも猫が被害にあいやすいのはノミを含めて次の4種類です。
ダニの種類 | 時期 | 肉眼で見えるか | 特徴 |
---|---|---|---|
マダニ | 春〜夏 | 見える。吸血すると100倍の大きさになる。 | 猫に吸血しだんだん大きくなる。危険な感染症になることも |
ツメダニ | 梅雨時期〜秋 | 見えない | 猫や人間の体液を吸う。猫に寄生するネコツメダニは皮膚で卵を産み、ツメダニ症という皮膚疾患になりかゆみとフケを発生させる |
ヒゼンダニ | 梅雨時期〜秋 | 見えない | 猫に寄生して激しいかゆみと皮膚炎を起こす。多くの場合は耳に寄生するミミヒゼンダニ。 |
ノミ | 梅雨時期〜秋 | 黒ゴマほど | 猫や人に寄生して吸血する。 |
同じダニでも見かけや特徴が全然違いますので、まずこの4種類がいるという事実を頭に入れておきましょう。
【動画解説】猫についているダニ見つけ方取り方
まずはどんなふうにダニをチェックするか動画で確認してイメージをつかんでください。
【画像解説】猫についているダニの見つけ方

次のような場所は猫にダニがつきやすい部分なので、定期的にチェックしておきましょう。
ダニがつきやすい場所
- 頭
- 耳
- 目のふち
- 背中
- お腹
- しっぽ
- 足の指の間
猫のダニは肉眼で見えないものも多いですが、次のような症状がある場合はダニかノミが付着している可能性が高いといえます。
- 外の草むらで遊ぶことが多い
- 体をかきむしっている
- 湿疹ができている
- コーヒーカスのような黒い粉がついている
- 抜け毛の季節でもないのに毛が抜ける
猫の耳についているダニと耳垢の違い
猫は細菌やホコリなどが耳の奥に入らないように、分泌物を固まらせて耳垢を生じさせます。
なので耳に何かついていると思っても、それが必ずしもダニのわけではありませんので耳掃除をしてあげるだけで大丈夫な場合がほとんどです。
しかし次のような症状があった場合は、耳垢ではなくミミヒゼンダニの可能性があります。
ダニがついている時の症状
- 耳が匂う
- 耳垢が異常に多い
- 黒く乾いた粒が出ている
- 猫が自分の耳を気にしている
もし猫がこのような症状が出ていたら病院に行ってお医者さんにみてもらってください。
ノミとダニの見分け方
ノミとダニの違いは肉眼で見えるか見えないかですが、ダニの種類によっても違いますのでここで覚えておきましょう。
特徴 | 考えられる種類 |
---|---|
吸血して動かない、膨らんでいる | マダニ |
肉眼で見えない | ツメダニかヒゼンダニ |
猫の毛が抜ける | ヒゼンダニ |
ぴょんぴょんと跳ねている | ノミ |
足についている | ノミ |
体についている黒い粒のようなものを取り除いて水をつけると赤茶色になる | ノミ |
猫のダニの予防と対処法
猫のダニは予防である程度防ぐことができますが、それでも予期しない時に危険なダニやノミがつくことがあります。
ここでは猫がダニがつかないための予防方法と、ダニがついてしまった場合の対処法を解説します。
定期的にブラッシングする
きめの細かいコームでブラッシングをすれば猫についているノミやダニを除去することができます。
ダニやノミ専用のブラシで定期的に猫をブラッシングしながら、見つけたらすぐに除去してあげてください。
ただし後ほど詳しく説明しますがマダニは無理に取り除こうことすると危険なので、マダニを見つけたら下記のようなピンセットのようなもので優しく摘んで取り除いてください。
ノミ・ダニとりシャンプーをする
猫は長毛種なら毎月必要ですが、それ以外の普通の毛の猫なら年に1、2回で十分ですのでその時はノミやダニとりシャンプーをしてあげましょう。
猫のダニが気になるからといって毎週シャンプーをすると、皮膚病になってしまう危険性がありますので絶対にやめてください。
ノミとりシャンプーはたくさんありますが、こちらの商品はマダニとノミの駆除&予防効果があり、詰め替え用も売っていますのでおすすめです。
春〜夏はできるだけ外にいかせない
猫は自由奔放に生きていますので活動を制限させるのはちょっとかわいそうですが、特にマダニが活発な春〜夏の間はできるだけ外にいかせない方が賢明です。
どうしても外出してしまうようなら、ダニよけスプレーをつけるなど予防をしっかりしておいてください。
猫は体を舐める習性があるので、ダニよけスプレーは下記のスプレーのような天然素材100%の安全なものを使ってください。
市販の薬は効果があるか
猫のノミやマダニを駆除する市販の薬はたくさん売っていますが、市販の薬ではあまり強い効果は期待できません。
市販の薬はほとんどの場合忌避(きひ。嫌がって避けること)効果しかありませんので、すでに猫にノミやダニがたくさんついているなら病院に行って診断のもと専用の薬をもらうことをおすすめします。
マダニの場合は素手でとらない、潰さない
もし猫に肉眼ではっきり見えるマダニがついているのが分かったなら、素手でとるのではなくピンセントなどで優しくつまむようにして取り除いてください。
ピンセットでマダニを捕まえたらそのまま潰さないようにしてそのまま熱湯に入れて駆除してください。
マダニはセメント物質を分泌して猫に固着していますので、無理に引き剥がそうとすると皮膚炎になってしまうことがあります。
またマダニは感染症を媒介している可能性があるので、マダニを潰して血が出てしまうのはを猫にとっても飼い主にとっても危険です。
難しそうなら無理にマダニをとろうとするのはやめて、病院に行ってお医者さんに取り除いてもらうことをおすすめします。
ノミも絶対に潰してはいけない
猫にノミがいたからといって必ずしも病院に行かなければならないわけではありませんが、それでもノミを潰すのは絶対にやめてください。
ノミは卵が入っている場合があり、ノミを潰すときに卵が部屋中に広がって繁殖する可能性があるからです。
ノミを見つけた場合もピンセントなどで摘んで、そのまま熱湯に入れて卵ごと駆除してください。
猫にダニがついているなら布団に気をつけよう

猫にダニがついていることがわかったなら、それは人間にも害を及ぼす危険性がありますのでまず布団のダニ対策をする必要があります。
布団はダニが最も好む環境にありますので、猫にダニがいるなら猫の布団にも人間の布団にも付着し、繁殖する可能性は非常に高いです。
布団のダニ対策は、布団乾燥機などの熱でダニを駆除し、その後掃除機をかけて死骸やフンを取り除くのが基本ですが、猫の布団も同様の方法で駆除することができます。
布団のダニ対策についての詳しい方法は、次の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
【まとめ】猫のダニを甘くみてはいけない
今回は猫のダニについて解説しましたがいかがだったでしょうか。
この記事のまとめ
猫のダニは肉眼で見えるものとそうでないものがある
肉眼で見えなくても、猫の症状でダニがいるかどうかを予想できる
定期的なブラッシングやダニよけシャンプーやスプレーで予防できる
ノミやマダニは見つけても絶対潰してはいけない
症状がひどいならすぐに病院に行く
猫はダニの被害に苦しんでいても声を上げることはできませんが、飼い主が日頃からケアをしていれば被害が酷くなる前に対処することができます。
早期発見すればそれだけ猫にも人間にも害は少なくなりますので、定期的にチェクしてあげてくださいね。